『続きが読みたいから日記を書く』日記チャレンジ4日目

仕事を終えて、夕方から本を片手にスタバへ。いつも頼んでいるお気に入りの抹茶ティーラテ。長居する予定でグランデサイズを注文する。

読み進めている『美しい星』を20ページほど読んだ。まだ序盤だが、三島の頽廃的な思想が見え隠れしていて、さすが三島文学という様相を呈してきた。これは好きな感じ。

今日は小説は早めに切り上げ、読みたかった古賀史健の『さみしい夜にはペンを持て』を読み始める。なぜ読みたかったかというと、ちょうど数日前から日記チャレンジを始めている自分にとって、もっと日記を書くことを楽しめないか、もっと上手に書くコツはないかを知りたかったからだ。そして、飽き性の自分が、日記を途中辞めにしないようにモチベーションを高めたかったというのも大きな理由。

さっそく読み始めると、日記を書き始めたばかりの自分にとっては、全てがなるほどと思える文章ばかりで、スイスイと読める。結局、スタバでは3分の2ほど読み、帰宅後に残りのページを読み切ってしまったのである。

特に印象に残ったのは、学校で書かされる作文は、『いいこと』ばかりを書こうとして、嘘ばかりになってしまう。だからこそ、文章を書くのが嫌になってしまうのだ。という箇所だった。

確かに、今でもその癖が抜けず、自分が文章を書くときはちょっといいことを言おうとしたり、変なことは書かないようにしようと自制したりしてしまう。それだと、書かれた文章と自分の思っていることに距離ができてしまい、そりゃ面白くないよなあと思った。『嘘をついたり、かっこつけたり、本音を隠したりしていたら、とても毎日は続かない』という文章を見て、これからの日記はできるだけ本音を書いてみよう思った。

すでに昨日書いた文章をちょっと読み返してみると、なんかいいことを言おうとしていて、かっこわるい。ちょっとくらい変なことを書いてもいいから、自分が感じたことを素直に文章化してみよう。

また、日記を続けていくと、自分自身が『続きを読みたいから、書いている』状態にいずれ変わっていくという。私自身、たった数日のあいだ日記を書いてみただけで、読み返して楽しんでしまっている。確かに、これがずっと溜まっていくのだと考えるとワクワクする。自分だけの物語を、自分のためだけに書き連ねていくというのは、究極の贅沢だ。今の記憶を忘れてしまった未来の自分が楽しめるように、わかりやすく、その時に感じたことを細かく描写したいと思った。

何より、自分の日記は、自然に自分の好きな作家の文体で書いてしまう。そりゃ読み返したら楽しいよなと思う。この数日間の日記を読み返してみると、かなり森見、沢木の影響が濃いことを発見した。沢木の文体はかなり好きではあったが、自分の文体に影響を受けるほどという認識はなかったので、それもまた日記を書いたことによる発見だった。

かなり役立ちそうな日記を書くコツも教えてもらった。それは、その日あった出来事を次々に羅列していくのではなく、その日のうちの自分が描きたい場面をスローモーションのように眺めて、細かい感情を表現してみると、文章が面白くなるということだ。

これまでは、日記を書こうとすると、その日あったことを思い返して、できるだけ全てを書こうとしてしまう自分がいた。ただ、それだと日記というよりは記録といった体裁で、自分自身が楽しんで文章を書くことができなかった。今回の日記チャレンジでは、しっかりスローモーションで眺めながら書いてみようと思う。

また、この日記を書くために、今回は本を読みながら、簡単なメモをとった。ちゃんと本を読みたいからメモをとったというよりは、日記を面白く書きたい、単に面白かったという感想で終わらないようにしたいと思ったからこそであった。これもまた日記の効用であろう。「書くためにメモを取る」ということが習慣になれば、日々の暮らしもより深く味わいながら過ごせそうだなと楽しみになった。

いつもなら、皆さんもぜひ読んでみてください、という締め括りにしそうな気がするが、本音に向き合ってみると、べつに誰かにぜひ読んでもらいたいとも思わない。本というのは、その人がその本を必要としてくれる時に、自然に現れてくれる気がするし、誰かにおすすめされた本というのはなんとなく乗り切れずに読み終わってしまう気がする。書店で運命的に出会うことによって、その本との親愛の情が深まる気がするのだ。紋切り型の締め括りで、綺麗っぽく終わらせるのは辞める。第一誰も読んでいない日記なのであるし、私は面白く読んだ、それだけで十分だ。

7/23(水)深夜12時過ぎの日記。


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