『仕事に飛び級はない』日記チャレンジ2日目。
2024.07.20
横浜に住んでいるデザイナー友達、草桶さんのもとへ遊びに行く。所沢からは片道2時間。久しぶりの遠出である。
電車に揺られながら、三島の『美しい星』を読み進める。電車の中が一番本を読み進められるのだ。
暑い盛りの午後に、目的地の最寄の高田駅に着く。なだらかな斜面の上にある家を目指して、だらだらと汗をかきながら歩く。デザイナーは歩くことが少ないので、こういうのもたまには良い。
少し早めに到着しそうだったので、隣にあるセブンイレブンで汗を乾かす。
草桶さんが迎えに来てくれて、家におじゃまする。デザイナーである奥様も本日は在宅でお仕事のようで、ご挨拶。
そこからは、草桶さんの仕事部屋で3時間近くたくさんの話をした。最近取り組んだ案件について、使用しているデザインツールについて、のような話から、「なぜデザインをしているのか」のような深くその人の根本に分け入っていく話まで。話題は次から次へと湧いて出てきた。
草桶さんのデザインの仕事への原動力は、「ものづくりの楽しさを味わいたい」ということがかなり大きいようで、そこにとても共感する。私自身、まず自分自身が良いと思えるデザイン、ワクワクできるものを作りたいという気持ちが大きい。会社経営に関する本を読むと、高い志を持った経営理念を持つべきだという意見が多数を占めるように思う。デザインを事業にする場合、話は少し違うのかもしれない。我々はもっと無邪気に創造力の楽しさを味わっているような気がする。
プロダクトデザイナーならではのこともたくさん聞けた。アイデアの初期段階では、発泡スチロールを削り出してプロトタイプを作って実際の形を確認したり、どんな素材を使い、どんなインクで印刷し、どんな手触りにするのかまでを入念に考えたり。
何個も作られたプロトタイプを見て、これはすごいと思ったし、ものづくりへのこだわりを見た気がした。WEBデザイナーは画面の中でデザインができるからこそ、もっとアナログに手書きのスケッチやプロトタイプを作ったりすることで、これまでの枠から外れた面白いアイデアも生まれるのではないか、と思ったりした。
草桶さんは、クライアントのブランディング構築全体をディレクションすることも多いという。私自身もいつか、ブランドづくりというところから関わってみたい。それでこそ、自分が良いと思えるものを生み出せるし、一貫した世界観はクライアントのビジネスを加速させる手助けになる。
どうしたらそのような仕事ができるのか聞いてみた。まずは、ロゴ・パッケージなど広くデザインの仕事をして、それらを一つ一つ地道にこなし、この人はいろんなことができる人だ、という認知を築いていくしかないのでは、ということだ。間違いない。やりたい仕事をやるには、飛び級はできない。しっかり少しずつやっていこう。
かなり長居した後、帰り際、今度は草桶さんがブランディングされたお店をツアーする約束をしてくれた。また生きる楽しみが増えた。
日記チャレンジ2日目。7/20(土)深夜1時の日記。