帰郷
岡山に帰郷。
夜遅くに着いたのに、父が駅まで車で迎えに来てくれた。
春に定年退職してからしばらくゆっくりしていたけど、最近また仕事を始めることにしたらしい。平日は働いて、土日は近所の子ども食堂の手伝いに行くのだと張り切っている。元気なことだなあ。
実家に着いて、シャワーを浴びたりしていると深夜1時を回っていた。
新幹線の中で崎陽軒のシウマイ弁当を食べてからしばらく時間が経っていたので、どうにもお腹が空いてきて、近くのコンビニまで歩いて出かけた。
真っ暗な田舎道をとぼとぼ歩く。
独立したての頃に不安で夜眠れなくて、深夜に訳もなく近所を歩き回っていたことを思い出した。
実家の周りは畑だらけで、明かりもないのによく歩けたなと思う。
文字通りのお先真っ暗だった。
いくつかの出会いが街灯のように私の人生の先を照らして、そのおかげでどうにかまだ側溝に落ちずに済んでいる。
そろそろ私も誰かの夜道に明かりを灯したいと最近は思ったりしている。